葬儀後の手続きは何からやる?優先順位を示しながら解説!

葬儀後の手続きは何からやる?優先順位を示しながら解説!

葬儀が一段落したら、少し落ち着いて今後のことを考えたいところです。ただ、早めにやっておくべきこともあります。

亡くなったことを各所に知らせることや、故人自身の名義で契約や登録をしてあるものの確認と手続きです。故人しか把握していないこともあるため、全部やりきるのはなかなか大変です。

そこで今回は、葬儀後にやるべき手続きについて、実行すべきタイミングの早い順にご紹介していきます。

期日がある葬儀後の手続き項目

年金の手続き

1つ目は年金の手続きです。年金事務所で「年金受給権者死亡届」をもらい、記入して提出しましょう。これは、国民年金でもそれ以外の年金でも同じです。ただ、期限に違いがあり、国民年金は死亡後 __14日__以内、それ以外の年金は死亡後 10日 以内ですので注意しましょう。

年金の手続きにはもう1つ、未支給年金の請求があります。未支給年金は、故人がこれからもらうはずだった年金のことです。こちらは「年金受給権者死亡届」と一緒に「未支給【年金・保険給付】請求書」を提出することで手続きでき、生計を共にしていた遺族のみが未支給年金を受け取れます。

健康保険の資格喪失手続き

2つ目は健康保険の資格喪失手続きです。国民健康保険の場合は、市区町村窓口で「資格喪失届」をもらい、「保険証」と一緒に返却します。期限は死亡後 14日 以内です。国民健康保険以外の場合は、加入先のHPなどに資格喪失手続きについて記載がありますので、その方法に従いましょう。

介護保険の資格喪失手続き

3つ目は介護保険の資格喪失手続きです。市区町村窓口で「介護保険資格取得・異動・喪失届」をもらい、記入して「介護被保険者証」と一緒に提出しましょう。期限は死亡後 14日 以内です。

世帯主変更の手続き

4つ目は故人様が世帯主だった場合にのみ必要な手続きです。市町村役場の戸籍・住民登録窓口に「世帯主変更届」を「届出人の印鑑」と「本人確認書類」を添えて提出します。期日は死亡から 14日 以内です。

手続きを先延ばしにすると損する項目

続いて、特に期日はありませんが、先延ばしにすると損してしまう、なるべく早めに行った方が良い手続きをご紹介します。

携帯電話の解約手続き

1つ目は携帯電話やネット回線の手続きです。携帯電話は、契約先のキャリアの店舗に出向くか、問い合わせ窓口で解約方法を聞きましょう。

NHKの受信料

2つ目はNHKの受信料の手続きです。NHKのフリーダイヤルに問い合わせて、解約や名義変更の手続き方法を聞きましょう。

運転免許証

3つ目は運転免許証の手続きです。運転免許証は、警察署に返却すればOKです。

光熱費・住宅費

4つ目は光熱費・住宅費の手続きです。賃貸の場合は不動産会社に名義変更や解約の手続き方法を聞きましょう。

電話パソコン

相続確定後速やかに行うべき手続き

続いて、相続が確定した後速やかに行うべきものを、手続き先と併せて簡単にご紹介します。

不動産の名義変更手続き

不動産を相続した場合には 3年 以内に相続人が不動産の名義変更を行わなければなりません。
司法書士に依頼するか、相続人が自分で申請書類一式をそろえ、所在地の法務局へ提出する必要があります。申請書類一式とその他準備するのは以下の通りです。

  • 登記申請書
    法務局のホームページからダウンロード可能
  • 登記事項証明書(登記簿謄本)
    手元(なければ管轄の法務局へ)
  • (あれば)遺言書もしくは遺産分割協議書
  • 被相続人(故人)の出生時から死亡時までの戸籍謄本
  • 被相続人の住民票の除票
  • 相続人全員の戸籍謄本と住民票
  • 法定相続人の印鑑証明書
    印鑑登録した役所にて入手
  • 固定資産評価証明書
    不動産のある役所などで入手

加えて、不動産の登記には登録免許税が申請時に必要になります。具体的な金額は、不動産の取得方法によって異なるので調べるようにしましょう。

預貯金の名義変更手続き

故人が預貯金を持つ場合は、名義変更を行わなければ相続できません。最終入出金日から銀行などの預貯金は 5年 、信用金庫などの協同組織の預貯金は 10年 で口座が凍結されます。10年間取引のない預金は2018年から施行されている休眠預金等活用法に基づき、NPOなどに貸し出されます。

契約先の銀行などの金融機関にそれぞれ連絡し相続のための書類を請求しましょう。
手元に金融機関からの書類がそろう前に以下の書類を準備します。

  • 被相続人の出生時から死亡時までの戸籍謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本
    発行からの期間、必要な範囲の確認が必要
  • 法定相続人の印鑑証明書
    発行からの期間、必要な範囲の確認が必要
  • 被相続人の預金通帳、キャッシュカード、証書など
  • 遺言書もしくは遺産分割協議書

必要書類を準備したら被相続人の取引支店などに提出して手続き完了です。各金融機関で手続き内容など細かい違いがあるので、あらかじめ調べるようにしましょう。

自動車所有権の移転手続き

被相続人が自動車を所有していた場合、自動車所有権の移転手続きが必要になります。車屋などの代行業者に依頼するか、相続人が申請書類一式をそろえ所在地の運輸局に提出することが必要になります。申請書類一式とその他準備するのは以下の通りです。

代行業者に依頼する場合も相続人自ら申請する場合も必要な書類
  • 譲渡証明書
    インターネットでダウンロード可能
  • 被相続人の印鑑証明書
    発行日から3ヵ月以内のもの
  • 相続人の印鑑証明書
    発行日から3ヵ月以内のもの
  • 被相続人の委任状
  • 相続人の委任状
  • 車検証
  • 被相続人の車庫証明書
    発行日から1ヵ月以内のもの
相続人自ら申請する場合のみ必要な書類
  • 手数料納付書
  • 運輸局にて入手可能
  • 自動車税(環境性能割・種別割)申告書
    運輸局に隣接する税事務所にて入手可能
  • 申請書(第1号様式)
    運輸局にて入手可能

加えて、移転登録手数料、車庫証明書の取得費用、自動車取得税、(必要ならば)ナンバープレート代、(代行を依頼する場合)名義変更代行料が提出時もしくは代行依頼時に発生することが考えられます。

クレジットカードの解約手続き

クレジットカードは、相続(名義変更)できません。引き落とし口座が凍結されても自動的に解約されることはないので、口座とは別途クレジットカード解約手続きをする必要性があります。

あらかじめ故人が契約者になっているクレジットカードを確認した上で、一枚ずつカード会社に電話して契約者が亡くなったことを伝えましょう。そこで解約手続きが完了する事が多いです。ただし、解約手続きを行えるのは、法定相続人になります。

相続・税金関連で1年以内の行うべき手続き

続いて、1年以内に行うべきものを、手続き先と併せて簡単にご紹介します。

相続の放棄

相続放棄とは、(個人が)被相続人の財産に対する相続権のすべてを放棄することです。相続財産が不鮮明なときは、資産を超えない範囲に限り負債を相続する「限定承認」があるのでそちらを検討しましょう。相続放棄は、申述書類をそろえ所在地の家庭裁判所に 3ヶ月 以内に提出しなければなりません。申請書類一式とその他準備するのは以下の通りです。

  • 相続放棄の申述書
  • 被相続人の住民票除票または戸籍附票
  • 申述人(相続放棄人)の戸籍謄本

そのほか申述人と被相続人の続柄によって必要書類がきまるので、あらかじめ調べるようにしましょう。
加えて、申述の際収入印紙代が費用としてかかります。

準確定申告

準確定申告とは、故人つまり被相続人の収入に対する確定申告のことです。つまり、被相続人に収入がなければ、申告の必要はありません。準確定申告は、亡くなる年の1月1日から故人の命日まで相続人全員で 4ヶ月 以内に行う必要があります。提出先は、故人の所在地だった地域の税務署です。以下には、準確定申告の対象になる人をまとめます。

  • 事業所得、不動産所得がある場合
  • 2000万円以上の給与がある場合
  • 複数企業から給与がある場合
  • 公的年金が400万円以上ある場合
  • 給与・退職金以外で20万円以上の収入がある場合

相続税の申告・納税

相続財産の総額が基礎控除(3000万円+(600万円×法定相続人数))を超えている場合、 10ヶ月 以内に相続人がそれぞれ申告書類を準備し相続人の所在地の税務署に提出しましょう。
財産の種類、法定相続人の数などで提出する書類は大きく異なるので税理士などにはやめに相談するか、インターネットで調べるといいでしょう。

死亡届

期日はあるが1年以上先でもよい手続き

続いて、手続きが1年以上先でもよいものを、手続き先と併せて簡単にご紹介します。

国民年金の死亡一時金請求

死亡一時金とは、国民年金の第 1号被保険者または任意加入被保険者として国民年金保険料を納めた期間が 36 月以上の人が、老齢基礎年金、障害基礎年金のいずれも受けないまま死亡したときに、その人と生計を同じくしていた遺族(配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹)に支給されるものです。また、生計を同じくしていた遺族が複数いる場合は、死亡一時金を受けられる遺族の優先順位は、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順です。 2年 以内に必要書類をそろえ、市区町村窓口または年金事務所または街角の年金相談センターに提出しなければなりません。必要書類は以下のものになります。

  • 国民年金死亡一時金請求書
    市区町村窓口で入手もしくはインターネットで入手
  • 故人の年金手帳
    ※提出できないときは、その理由書が必要です。
  • 故人の戸籍謄本
    請求者の世帯全員の住民票の写し
  • 故人の住民票の除票
    受取先金融機関の通帳又はキャッシュカード(コピー可)
  • 印鑑(認印可)

国民健康保険の葬儀費用請求

故人が国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入した場合、 葬儀後2年 以内に市町村窓口で申請すれば「葬祭費」として支給されます。亡くなってから14日以内に故人の国民健康保険の資格喪失届を提出する必要があるので、同時に出すと良いでしょう。申請書類一式は以下のものになります。

  • 国民健康保険葬祭費申請書
    市町村窓口で入手可能
  • 故人の国民健康保険証、または後期高齢者医療保険証、介護保険証、高齢受給者証
  • 死亡診断書のコピー、死亡の事実を記載された戸籍謄本など死亡を証明するもの
  • 領収書など葬儀がとり行われたことが確認できるもの
  • 葬祭をとり行った方の金融機関の口座番号
  • 葬祭を行った方の本人確認書類(マイナンバー、免許証など)
  • 印鑑

生命保険の死亡保険金請求

故人が生命保険に入っている場合は、 3年 以内に生命保険会社へ電話もしくは書面、口頭で連絡をしましょう。必要書類の案内と請求書を手に入れることができるので、それらに従って請求しましょう。

国民年金の遺族基礎年金請求

遺族基礎年金は、国民年金加入中の方が亡くなられたときで、その方によって生計維持されていた「18歳到達年度の末日までにある子(障害の状態にある場合は20歳未満)のいる配偶者」または「子」が受けることができます。 5年 以内に必要書類をそろえ、市区町村窓口または年金事務所または街角の年金相談センターに提出しなければなりません。必要書類は以下のものになります。

  • 年金請求書
    市区町村窓口で入手もしくはインターネットで入手
  • 故人の年金手帳
    ※提出できないときは、その理由書が必要です。
  • 請求者の収入が確認できる書類
  • 子の収入が確認できる書類(義務教育の場合不要)
  • 故人の戸籍謄本
  • 請求者の世帯全員の住民票の写し
  • 故人の住民票の除票
  • 受取先金融機関の通帳又はキャッシュカード(コピー可)
  • 印鑑(認印可)

年金手帳

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、葬儀後にやるべき手続きをご紹介してきました。葬儀後に行う手続きはたくさんありますし、1つひとつ手間や時間がかかることも多いです。ですので、一度やるべきことを紙などに書き出し、期限の早い順に並べ替えてから始めましょう。そして、1つひとつ確実に終わらせていきましょう。

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監修・奥山晶子
監修・奥山晶子
株式会社むじょう 編集者
冠婚葬祭互助会に従事し、その後おもだか大学名義で「フリースタイルなお別れざっし 葬」(不定期)を刊行。現在は葬儀や墓など終活関連の記事を手がけるライターとして活動中。2012年より2年間、NPO法人葬送の自由をすすめる会の理事をつとめる。主な著者に『葬式プランナーまどかのお弔いファイル』『ゆる終活のための 親にかけたい55の言葉』がある。