お線香の本数は2本?何本?正しいあげ方を解説
お線香を日頃からあげる習慣がない場合、いざ葬儀に参列などとなったとき、何本あげるのか、またどう置くのか、戸惑うこともあるでしょう。
一緒に参列した方に合わせることもできますが、お線香は宗派によってあげ方が異なるので、一度確認しておくのも良いでしょう。今回はそんなお線香のあげ方についてご紹介します。
線香の本数は何本が適切?
お線香のあげ方は宗派によって 本数 、 お線香を折るか折らないか 、 お線香を立てるか寝かせるか など、が異なります。
ご葬家の宗派に合わせると良いとされていますが、わからない場合は自分の宗派に従うか、前の人に倣うようにしましょう。
基本的に、四十九日までは、原則 1本で折らないで立たせましょう。 故人の天国への道しるべを一本にするという意味が込められています。
次章からは各宗派のお線香のあげ方について解説していきます。
曹洞宗・臨済宗
本数:1本
あげ方:折らずに真ん中に立てましょう。
日蓮宗
本数:1本または3本
あげ方:3本の場合、線香を折らずに 手前に1本、仏様側に2本 立てましょう。
葬儀で人が多い場合や菩提寺によっては香炉の真ん中に1本立てることがあります。
真言宗・天台宗
本数:3本
あげ方:線香を折らずに手前に1本、仏様側に2本を、上から見て逆三角形に立てましょう。
真言宗・天台宗では、3本の線香は仏教において大切な 「仏・法・僧侶」(三宝) や 「過去・現在・未来」 を表しています。
浄土宗
本数:1から3本
あげ方:1本の場合、香炉の真ん中に折らずに立てるのが一般的ですが、2つに折って寝かせる場合もあります。複数本の場合、折らずに真ん中に寄せて立てましょう。
浄土真宗
本数:1本
あげ方:真ん中から2つに折って横に寝かせましょう。
浄土真宗だけはお線香を寝かせて 使用します。これは、線香が発明されるまで、浄土真宗では常香盤という香炉を使ってお香を焚いていたからとされています。
常香盤では、抹香を渦巻き状にして端から火をつけます。すると、長時間抹香が燃えるように工夫されていました。この風習から、浄土真宗では今でも香炉の中にお線香を寝かすのが作法となっています。
お線香のシーン別の考え方
故人の枕元
故人があの世へ旅立つまでの時間、お線香の香りだけを食べると言われているので、故人が亡くなってから四十九日間、お線香を絶やさないようにします。
ただし、万が一お線香の火が絶えてしまったからといって、悪いことが起きるわけではないです。
仏壇
弔問先のお仏壇にお線香をあげる場合
お線香のあげ方は宗派や地域によって異なりますが、一般的な流れは以下のようになります。
- 左手に数珠を持ちます。
- お仏壇の前に座布団がある場合は、座布団の手前でご遺族に一礼します。
- お仏壇の正面に座って一礼をして、合掌します
- ろうそくに火をつけ、お線香に火をつけます。
- お線香に火がつき、煙が出ていることを確認したら香炉にお線香を立てる、もしくは寝かせましょう。
- 「おりん」を一度鳴らしてから、合掌します。
(浄土真宗本願寺派はお線香をあげる時に「おりん」を鳴らしません) - 遺影に一礼をし、座布団から降り少し下がってもう一度ご遺族に一礼します。
ご自宅のお仏壇へのお線香をあげる場合
こちらに関しても宗派や地域によって異なりますが、一般的な流れは以下のようになります。
- 左手に数珠を持ちます。
- お仏壇の正面に座って(もしくは立って)一礼をして合掌します。
- ろうそくに火をつけ、お線香に火をつけます。
- お線香に火がつき、煙が出ていることを確認したら香炉にお線香を立てる、もしくは寝かせましょう。
- 「おりん」を一度鳴らしてから、合掌します。
(浄土真宗本願寺派はお線香をあげる時に「おりん」を鳴らしません) - 遺影に一礼します。
お墓
お墓にお線香をあげる場合
- ロウソクに火を灯します。
- ロウソクからお線香に火を移します。
※燭台が両脇にある場合は、必ず右側のロウソクから火を移します。 - 火を移したお線香を、故人に近しい人から分けます。
- 香炉にお線香を立てる、もしくは寝かせておきましょう。
お墓で線香を上げる際には、人数にかかわらずみんなで一束であげるのが一般的です。
お線香を上げるときのマナー
お線香にマッチやライター等で火を付けない
お線香にマッチやライターで火をつける行為はマナー的にあまり良くありません。ですが、最近は安全の問題から、仏壇等にお線香専用のガスライター(「チャッカマン」など)が置いてある場合があるので、その場合は、ガスライターから直接火を付けてもマナー違反とはなりません。
お線香に息を吹きかけて火を消さない
お線香に息を吹きかけて消してはならないのは、仏教の教えが元となっています。人の悪い行動は「身口意」の3つのうちの一つから生まれるとされており、その中の一つである口から出した息です。神聖なお線香の火を消すことはマナー違反とされているので、火を消す際は息を吹きかけるのではなく、 手などで仰いで消しましょう 。
お線香をあげるだけの場合にはリンを鳴らさない
宗派によっても違いがありますが、お線香だけをあげる場合はリンを鳴らすことが良くないとされています。リンを鳴らすのは、お勤めで読み上げる読経(どっきょう)の中で、鳴らす場所が決められているので、 お線香をあげる時やご飯をあげる時には鳴らさない よう気をつけましょう。
座布団を足で踏まない
座布団にはお客様を敬い、もてなすという気持ちが込められているので、その座布団を足で踏んでしまうということは、おもてなしの心を踏みにじることになります。大変失礼な行為となるので、この点にも気をつけると良いでしょう。
座布団に座るときには、座布団の手前で正座をしてから、前方に手をついて膝で移動します。
他の人が線香をあげやすいようにする
参列者が多い場合、他の人が線香をあげやすいように 香炉の空いている場所にお線香を立て香炉にスペースを作る ようにしましょう。また、線香を一人2本あげる際は、線香を2本くっつけて立てても問題ありません。
他の参列者への配慮も忘れないようにしましょう。
まとめ
今回はお線香のあげ方を宗教別にご紹介しました。故人の宗派によって、お線香のあげ方や本数が異なるので、故人の宗派がわからない場合は事前にご遺族に確認しておくと安心でしょう。
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